杉本純のブログ

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創作雑記10 ストーリーと主題の対応図

こないだは、小説におけるストーリーと主題は旅における地図とコンパスではないか、と書いた。

地図とコンパスがあれば旅ができる。つまりストーリーと主題が用意できていれば小説が書ける。…のではないか。

私はこのたび、ストーリーと、それを構成するエピソードに対しそれぞれどのように主題が響いてくるのかを図にしてみた。旅の計画に例えれば、地図上に行程の線を引き、その場所ごとでどの方角に向かって進めばいいかを明確にした、ということになると思う。

これをやると、だいたい迷わずに進める(詰まらずに書き進められる)んじゃないか。もちろん、旅する中のそこかしこで色んなトラブルが発生して進行が阻まれるように、書き進める中でも細かい心理の動きや描写の仕方などについて迷いや違和感が出てくることはあると思う。しかし、大筋が固められていて、どの部分を力を注いで描写すれば良いかも分かっているのだから、あとは根気強く一つずつ乗り越えていけばいい。

さらに私はこのたび図をまとめてみて、もう一つメリットがあることに気づいた。…まぁもちろん、小説を長年書いている人とかプロのベテラン作家であれば原稿を読むだけで分かるだろうが、このストーリーでは登場人物が足りない、あるいは、この人物が今の状態では弱すぎる、といったことまで分かってくる。旅で考えれば、今回の旅程はこの場所だけでなくこっちにも足を伸ばす方が良い、ここの滞在時間はもうちょっと長い(短い)方がいいだろう、などが分かるということか。

見える化」とよく言われるが、創作ノートはまさに小説を「見える化」するためにあると思う。自ら書いている小説をよく知りたいならば、登場人物表や相関図、そしてストーリーと主題の対応図を充実させていくと良いだろう。