杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

三遊亭圓生『噺のまくら』

先日、六代目三遊亭圓生の『噺のまくら』(朝日文庫、1987年)をざっと読んだのだが、これが滅法面白く、これは一気に全部読んでしまわず折に触れて読みたいところを拾い読みするやり方で読み続けていこうと思った。

この本は、本番の落語が始まる前の短い話、つまり「まくら」のみを多数集めたもので、圓生はまくらの名手であったそうな。

読んでみると、日本文化に関する蘊蓄がふんだんに盛り込まれていて楽しい。こういう話を知人との会話の中で自然に出せるようになると、教養のある人、と思われそうだ。

日本の歴史とか日本の文化というのは、こういう取るに足らない、細かな物語の集積なんだな、という気さえしてくる。