杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

エニアグラム

池上彰監修『やりたい仕事がある!』(小学館、2005年)は、世の中の仕事741種類について、その概要と就業の仕方が書かれた本。なにせ仕事の種類が多いので、本も700ページ近くある。

「はじめに」には「『サラリーマン』にならないために」という池上さんのメッセージが載っている。サラリーマンは英語で「nine-to-five(9時から5時まで)」というそうで、「労働意欲がない」という意味もあるそうだ。池上さんは、一度きりの人生なのだから「サラリーマン」にならず、やりがいのある仕事を選ぶことを勧めている。741種の仕事の中から、それを見つけてみてくれ、というのが趣旨である。

面白いのは、仕事の紹介をする前にまず自分のタイプを知ろうということで、読者が何の仕事に向いているかの適性を測るエニアグラムが掲載されていることだ。

エニアグラムはいくつかの設問を「はい/いいえ」を選んで進んでいく形になっている。スタートは「団体で行動するときには、みんなについていくというよりは、リーダー的な存在となって引っ張っていきたいと思う。」で、設問を進んでいくと、最終的に九つのタイプ(熱中する人、達成する人、挑戦する人、改革する人、人を助ける人、忠実な人、調べる人、個性的な人、平和をもたらす人)のどれかに決まるようになっている。

私は「調べる人」になったが、しばしば「個性的な人」にもなるなと思った。この本では、小説家やライターはまさに「調べる人」に該当している。

私は普段あまりこういう自己分析をすることはないが、自分が進む道を考える上での羅針盤になるので、時にはやってみると良いと思った。