杉本純のブログ

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佐伯一麦と「名古屋の喫茶店」

佐伯一麦は2013年の秋から冬にかけて名古屋に滞在し、知人に会っている(「名古屋の喫茶店」(『月を見あげて 第三集』(河北新報出版センター、2015年))所収)。

「名古屋の喫茶店」には、佐伯は週刊誌の記者をしていた時期、出張するビジネスマン向けに地方都市の紹介記事を書き、名古屋も取り上げたことがある、と書いてある。この随筆は名古屋と喫茶店についてごく簡単にかいつまんだ随筆なのだが、名古屋滞在の理由や、過去に佐伯が関わった雑誌のことなど、私としては色々と興味深い。

 今回の名古屋滞在で足を運んだのは、栄の地下街にある昭和二十二年創業の老舗の喫茶店の支店。

とある。昭和22年創業の名古屋の喫茶店というと「コンパル」か。コンパルは中区大須に本社を置く老舗喫茶店で、栄の地下街(森の地下街)には栄西店と栄東店がある。