杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

笑う人がいれば泣く人がいる

現状を変えようとして改革を行うに際し、誰誰が困ってしまうから良くないとブレーキをかける人がいる。その人は公平性が大切だ、などと言うのだが、公平性などを意識していたら現状の改革などできないだろうと思う。

例えば再開発。これを行うにはその街の従来の住人に立ち退いてもらわなくてはならず、戻ってもらえる人がいれば去ってもらわざるを得ない人もいる。戻ってくる人は新しい家に住めるなどメリットを享受できるが、去る人は外的要因によって長年住み慣れた場所を離れるのだからその点は不本意だろう。笑う人がいれば泣く人がいるのだ。

もちろん戻る人=笑う人、去る人=泣く人、と単純に区別できるものでもないだろうが、何か大きな変化が起きる時、そこに笑う人がいれば泣く人がいるのは当然。「変える」というのはそういうことなので、泣く人を泣かせないために「変える」のをやめるのは本末転倒である。

再開発に限らない。法改正から会社内部の組織変更まで、何でもそう。彼方立てれば此方が立たぬ。それが世の真理で、「変える」には厳しさが必要。