杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

物書きの不幸

2019年が始まった。だからというわけではありませんが、今年もブログに創作に精出していこうと思っています。

さて、文章を書く仕事をしていて一番辛いことは何か、という問題を最近考えた。そして、それは恐らく「誰にも読まれないこと」だろう、と思った。例えばこのブログへのアクセスは概ね、ゼロではないが二桁どまりである(三桁になったことが一度だけある!)。皆無でないことは救いだが、もっと多くの人に読んでもらいたいところだ。

一方で、書いた記事への批判やいちゃもんなども、辛い。しかし、これは誰にも読まれていないことほどに辛いことではないと思う。

私はある作家の著作を複数読んでおり、その作品をアマゾンレビューで見て、自分の感想と比較することがたまにある。その作品のレビューには、絶賛するコメントと批判するコメントが必ずあり、面白いのだが、最近見て驚いたのは、まったくレビューがない本があることである。

そこで考えた。作家にとって、批判を受けることと読まれないことと、どちらが辛いことだろうか?…考えた結果、やはり後者の方が格段に辛いだろうと思った。「愛の反対は憎しみでなく無関心」みたいな言葉を誰が言ったのか私は知らないが、批判されたり叩かれたりすることより見向きもされないことの方が、最も寒々しい惨めなことではないだろうか。

かといって別に、読まれればそれでいいわけでもない。ベストセラー本がすごいとは思わないし、ベストセラー作家が偉大だと思っているわけでもない。だが少なくとも、毀誉褒貶はあれど、読まれないよりは読まれる方が良いだろうと思うのだ。