杉本純のブログ

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助監督雑感

日本の映画界は人手不足が問題になっているのだそうだ。どの業界でもそういう話は聞くので、日本はあらゆる産業がどんどん縮小、劣化していっているのではないかと思えてくる。

助監督になる人もいなくなっているらしい。思えば私自身、映画学校を卒業する時、助監督になろうなどとは微塵も考えなかった。物書きになろうとしていたので当然だが、卒業した2005年当時、映画学校を出て映画業界に就職した人、どれくらいいただろう。技術の人は別として、演出の連中に限って言えば、半分もいなかったのではないだろうか。私が比較的仲良くしていたのは高卒でそのまま来た学生ではなく、大学へ行っていたり、一度就職していたりした人たちで、そういう奴らはおおむね、助監督なんてやらない、と言っていたと記憶している。

2005年当時、すでにインターネットは普及していたが、YouTubeは設立されていたものの普及はしていなかったと思う。とはいえ、自主制作をする人は学校内外にかなりいたし、中には小さな映画館に持ち込んで上映させてもらう強者もいた。ビデオカメラがすでにあったので、撮りたいものを自分で撮ればよく、誰もわざわざ助監督になってややこしい上下関係や下積み生活に飛び込もうなどと思わなかったのだと思う。もちろん、私のそういう思いは映画学校周辺を見回してのことであるが。