杉本純のブログ

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久しぶりの小説新刊本

小説の新刊を久しぶりに買った。とはいえ文庫である。島本理生『夏の裁断』(文春文庫)。

小説はずっと読み続けているが新刊本を買ったのは本当に久しぶり。前に買ったのがいつかが思い出せないくらいである。たぶん、講談社百周年記念書き下ろしの島田雅彦『悪貨』(2010年)だが、それでも松岡正剛の「千夜千冊」で紹介されてから買ったのでちょっと遅れた。

書店で新刊本を買うことも多いが、まず小説は買わない。小説はいつもだいたいブックオフなどの古本屋で買っている。読みたい新作の小説がそうそう出てくるものではないというのもあるが、新しいものを追い掛けたりしない性分であるのが最たる理由だと思われ、これはいけないことなんじゃないかと最近は感じている。

また新刊本を買うのでも、発刊後しばらく経ってから買うと、自分としては鮮度が落ちてしまっている感じがして、今すぐ読もうという気にならない。ひとまず買っておく、という癖があるのだ(これも悪い癖だと思っている)。いつでも売られている古典や、たまたま見つけていつか読むだろうと思って買った古書となるとなおさらである。これらは自然と、ひとまず本棚に置いておくこととなり、下手をすると何年も経ってからやっと読み始めるという事態になってしまう。

しかし『夏の裁断』は買ってすぐに読んでいる。良い小説だし、収録されている続編が文庫オリジナルだということもあるが、やはりほやほやの新品だからだろう。