脳のことは日進月歩で研究が進んでいるようだが、まだ半分以上わかっていないとも聞く。脳は眠らない、なんていう本もあったはずだ。
私は脳のことはぜんぜん知らないが、物を書く仕事をしていて実感するのは、明らかに脳が疲れている、疲労で脳の働きが鈍っている、と思うことがあることだ。
実は今日も、疲れている。同じ平日でも、こうも疲れない日もある。これまでの経験から言えそうなのは、脳を使い過ぎているというより、脳が日中にさまざまなストレスを受けて働きを圧迫され、疲労してしまうのではないかということだ。私の場合、たくさんの人と話したり、一緒にいる相手に気をつかったりすると、脳が疲れてしまうような気がする。こうなるとアイデアも出ないし、言葉も浮かんでこず、結果、書き物が捗らなくなるのである。
だから私は近ごろ、脳が楽になることを意識的に実践している。何をすればどれだけ脳が楽になるかはわからないが、あまり頑張らないようにすることや、人に気をつかい過ぎないようにすること、などである。もちろん傍若無人になるというのではなく、平たく言えば、必要以上のことはしないということだ。
しかしそんなのは大人として生きていればごく当たり前のことだろう。毎日楽しそうにしている人は、それが自然にできているように見える。
そう。私はこれまで、必要以上のことをして脳を疲れさせていたのだ。そして、脳を疲れさせるくらいなら、その原因となる人間関係や習慣を取り除く方がはるかに幸せだということを、最近ようやく理解したのだ。