新橋の方に行ったので、「東京人」5月号の特集「ビル散歩 1960-70年代」に載っていた「ニュー新橋ビル」を見てきた。
1971年竣工。設計は松田平田坂本設計事務所(現・松田平田設計)というところで、駅ホームからも見える外観がとにかく特徴的である。
この外壁は、本橋信宏『新橋アンダーグラウンド』(駒草出版、2017年)にはフィボナッチ数の規則に従って配列されたプレキャストコンクリート製外壁面であると書いてある。フィボナッチ数は螺旋状に並ぶヒマワリの種など、自然界に多く見られる現象だとのことだ。面白い。
このビルにはサラリーマン向けのテナントが数多くあり、そのことから通称「おやじビル」と呼ばれているそうだ。実際、中を歩くと麻雀の店やマッサージ店が多くあり、喫茶店も全面喫煙可のところがあってサラリーマンがたくさんいた。
東京都が今年3月29日に発表した都内のビルの耐震診断結果によると、このビルは震度6から7の地震によって倒壊・崩壊する危険性があるらしい。そういう背景もあってのことだろう、新橋駅西口ではすでに再開発の話が動いている。あと数年でこのビルは見られなくなってしまうかもしれない。