先日、学生時代に多くのアルバイトをしたという人に会い、話を聞いた。アルバイトでの経験は少なからず、その後の人生の役に立っているという話だった。
電気工をしていた佐伯一麦は電気工を主人公にした私小説をいくつも書いている。
私はふと、自分はこれまでどんなアルバイトをし、それをどれだけ作品に書いただろうか、と思った。そこで高校卒業後の初のアルバイトからぜんぶ思い出してみた。
・引越し手伝い
・スーパーの惣菜コーナー
・宅配ピザのドライバー
・ホスト
・居酒屋のホール係、ドリンク係、洗い場
・試験官
・映画館の清掃、物販
・レジャーランドのアトラクション担当
・家庭教師
・建設現場の作業員
・マクドナルドのキッチン
・うなぎ屋の出前ドライバー
・宿泊研修施設の寝室清掃
・宿泊研修施設の食堂洗い場(住み込み)
・古書店の古本回収
・テレビCMのエキストラ出演
・テレビドラマの企画書まとめ作業
・スーパーのカゴ回収
・テレビCMのシナリオ作成
・小説手書き原稿の打ち込み
・評論手書き原稿の打ち込み
・エッセイ手書き原稿の打ち込み
・インタビュー音声のテープ起こし
・データベース作成のための打ち込み作業
・タウン誌の編集・ライター
・結婚式のビデオ撮影
・蕎麦屋の厨房手伝い
ざっとこれくらいだと思う。
この中で小説などの作品に描いたものは、半分もない。その場面を描写することはできそうだが、人間ドラマを経験していなかったので話にするのは難しいかも知れない。
これらはほとんどが十年以上前に経験したもので、今では世の中の状況は変わっているが、思い出している内に、人間、どんなことをしても普通に働いていれば生きてはいけるのではないか、仕事なんて選びさえしなければ得られるのではないか、と思った。