加藤恭子『ノンフィクションの書き方』(はまの出版、1998)を読んでいる。
この本の冒頭では、ノンフィクションを書くために世界史を頭に入れておくよう強調されている。
物を書く仕事をするようになり、学校でもっと勉強しておけば良かった、と思った最たるものが「歴史」である。
例えば私はある企業の社史をまとめたことがあるが、本文を書く上で苦労したのが、企業の業績の浮き沈みと日本経済や業界の浮き沈みを頭の中で並べて考えられなかったことだ。仕方なくネットなどで調べまくり、どうにか因果関係らしきものを見出して間に合わせたが、こういう作業は経済史の教養がある程度ある人ならもうちょっと楽にできただろうと思う。
私が知っているライターの中にはパナソニックが松下電器産業だったのを知らなかった人がいる。それを聞いた時には内心失笑したものだが、私にもこういう常識的な知識の欠落はあると思って笑えなくなった。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と言うけれども、物を書く仕事をしているなら知ってるべきことを知らないと一日くらいは恥ずかしい時間が続くと思う。
今からでも遅くはないので歴史をもっと勉強しなくては、と思う。