杉本純のブログ

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良縁と悪縁

企業やクリエイターにポートフォリオがあるように、人間関係にもポートフォリオがあるようだ。ある人がそのことに言及していて、それを読んだ私は「要するに“縁”のことかな?」と思った。人はつねに色んな人間関係を結んでいるものだ。それはつまり、縁だろう。縁といえば、血縁、地縁、社縁がある。ちなみに私は、今はインターネット上で人とつながることが当たり前になっており、新たに「電縁(でんえん)」が発生していると思っている。21世紀らしい電脳空間での縁だ。

さて、私の経験から言うと、人間関係というのは実に複雑なもので、良縁と見えたものが実は悪縁だったり、その逆もあるように思う。これまで、「この人は大切な恩人だ」と思っていた人が、時間が経ち双方の立場も変化すると、次第に窮屈で煩わしい関係に変わっていってしまったことが何回もあった(もちろん、ここで言う「良縁」とは婚姻関係のことではない。念のため)。

それはもともと悪縁だったのが良縁に見えていた、といった単純なことではなく、縁そのものが良縁の相を呈したり悪縁の相を呈したりするということではないか。

良縁は大切にし、悪縁はなるべく遠ざける、ないし断ち切ると良いと思う。そういえば、日本では昔から縁切りがさかんに願われていたような気がする。縁切り神社、縁切寺、縁切り蕎麦…近所には「縁切り榎」なんてのもある。